卓上型FRR蛍光光度計は、現場型FRR蛍光光度計FastOcean型と光合成測定用卓上チャンバーFastAct2型を組み合わせることで、室内で植物プランクトンの光合成活性の測定を行うものです。

現場型FRR蛍光光度は、励起光源として青色と緑色、赤色の3つの異なるLEDを備え、これらのLEDによる閃光は照射強度の可変に加え、同時あるいは個別に照射できるようになりました。旧世代では青色LEDのみを励起光とし、それゆえにシアノバクテリア等を測定することができませんでしたが、複数の藻類種が生産する光合成生産量を測定できるようになりました。

光合成測定用チャンバーには、環境光として白色または青色LEDをベースとした連続光で、従来のモデルに対しより正確に制御するようパルス幅変調技術を新たに採用しました。また、最大照射光量は1,200から2,500μmol・photon/m2・secへ、直接日光以上の照射が可能となりました。蠕動ポンプは試料水の温度上昇を軽減する為の定温水の循環、試料水内の植物プランクトンの沈殿を防ぐ撹拌の2基を備えています。

将来の拡張として酸素電極が組み込める専用のチャンバー、長期の自動観測用として定期的に自動クリーニングができるソレノイドバルブユニット等様々なオプションを用意しています。



  特  徴

   □ 植物プランクトンの光合成活性の測定

   □ 環境光の可変光量(最大2,500μmol・photons/m2・sec)

   □ 試料水の温度上昇及び沈殿の軽減

   □ 可変閃光照度強度(0~30mmol・photons/m2・sec)

   □ 3つの異なる波長の励起光源

   □ フルコントロール(送液、照射光量等)

   □ 生活防水IP68(サンプルチャンバー、蠕動ポンプユニット)

   □ 長期自動観測対応可

   □ 水の毒性検知

   □ 豊富なオプション

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サンプルチャンバー


サンプルチャンバー内には、光合成に作用する環境光として2つの白色LEDユニットが備えられており4~2,500μmol・photons/m2・sec間の光量が設定できます。オプションとして、青色LEDユニットも用意しています。

サンプルチャンバーにはウォータージャケット部を備え、定温水を循環させることで、試験管内の試料水の温度を一定に保つことができます。例えば周囲温度22℃で7℃の定温水を循環させることで、試料水を7.5~7.6℃に保つことができます。



サンプルチャンバー



蠕動ポンプ


2基の蠕動ポンプを備えており、ひとつは恒温水槽、もう一方は試料水が入っている試験管へと繋げます。前者は恒温水槽内の定温水をサンプルチャンバー内のウォータージャケット部へ一定水量で送り続けることで、環境光と現場型FRR蛍光光度の励起光の照射による試料水の温度上昇を軽減します。後者は測定開始前にごく短時間(1秒以下)を注入することで、植物プランクトンの細胞が沈殿しないよう撹拌し、溶存炭酸ガスの濃度を維持するためにで、測定環境による不確かさをより軽減するよう設計されています。



蠕動ポンプ



コントロールユニット


環境光及び励起光、蠕動ポンプ等への電源供給やPCとのデータ通信を行うものです。環境光用の接続端子は、白色LEDユニットや青色LEDユニットによる環境光、酸素電極用の光源が接続できます。



コントロールユニット



ソレノイドバルブユニット


オプションのソレノイドバルブユニットを組み合わせることで、クリーニング液(弱酸性水、ミリQ水)及び試料水、撹拌をそれぞれ切換えられ長期の自動観測が可能です。



ソレノイドバルブユニット



酸素電極用チャンバー


オプションの酸素電極用チャンバーを組み合わせることで、純基礎生産量の推定が可能となります。



酸素電極用チャンバー



卓上型FRR蛍光光度計ソフトウェア


Act2Runソフトウェアは一つのソフトウェアで現場型FRR蛍光光度計及び光合成測定用チャンバーの光環境設定、蠕動ポンプ等の全ての設定が行えます。取得したデータはクリップボード機能によりExcel等にデータを受け渡しができます。

対応OSは、マイクロソフト社Windows10です。ソフトウェアは、いつでもWeb上から最新のバージョンが無償にてダウンロードできます。



卓上型FRR蛍光光度計ソフトウェア