DST HRTはセラミック製の強固なボディに温度、心拍数の2つのセンサを内蔵した超小型データロガーです。生体適合性に優れた材質、酸化アルミニウムと生体適合性エポキシで作られ、それぞれのセンサはケーブルなどの余計な部品がなく、筐体の一部を成しており、魚や小さな動物に埋め込むのに理想的です。また簡単に殺菌(ガス減菌装置又は70%エタノールで)でき、バッテリーが続く限り再利用できますので費用対効果に優れています。マイクロ(micro)、ミリ(milli)、センチ(centi)の3つの異なる筐体のサイズを用意しており、魚や小さな動物の免疫反応や代謝、体温調整機構などの研究にご利用いただけます。

メモリ容量は43,690データあり長期の観測にも対応しています。また、内部バッテリーが尽きてしまっても、不揮発性EEPROMを採用していますのでデータが無くなることはありません。

アプリケーションとして、
  ●魚や海洋動物の生態調査
  ●魚類学
  ●海洋生物学
  ●動物生理学
  ●小動物の生態調査
  ●代謝に関する研究
など様々なフィールドでご利用いただけます。

設定及び解析用ソフトウェアは別売ですが、アップグレードはWeb上から無償にて行えます。対応OSは、マイクロソフト社Windows 7、8.1、10の日本語版になります。

【心拍数の測定について】
本製品は、対象動物、魚の腹腔近くに埋め込む必要があります。また、設定周波数と対象の心拍数の間隔が合わずに、データをうまく取得できないことがあります。

【タグのサイズについて】
大型魚や体重が10kgを超える動物にタグを埋め込む際には、milliもしくはcentiのご使用をお勧めします。

総合カタログPDFダウンロード(3.00MB)




DST milli-HRT(上)、DST micro-HRT(下)




心拍数センサの形状


 特  徴

   □ 小型

   □ 温度・心拍数の測定

   □ 12ビット分解能

   □ 生体適合性に優れた材質

   □ 不揮発性メモリ(内部バッテリーが尽きてもデータを保持)



  仕  様

DST micro-HRT
(温度・心拍数)
DST milli-HRT
(温度・心拍数)
DST centi-HRT
(温度・心拍数)

温度

測定範囲

+5~+40℃注1)

精度

±0.2℃

分解能

0.032℃

応答速度

12秒(63%応答)

心拍数

選択可能
周波数

100Hz、125Hz(魚用)
150Hz、200Hz、300Hz、400Hz、500Hz、600Hz、700Hz、800Hz(動物用)注2)

算出方法

バーストサンプリングで心拍数を測定し、
その値から1分間の平均心拍数を算出(Mercuryソフトウェアにて)

埋め込み場所

魚、動物など対象の腹腔内

A/D変換

12ビットデジタル変換

サンプリング間隔

1秒~90時間(1秒単位で設定可能)

観測開始時間

最小5分から最大45日間で設定可

インターフェース

USBポート(仮想COMポート)

メモリ

容量

43,690データ

43,690データ(標準、測定項目毎)
699,000データ(オプション、測定項目毎)

699,000データ(標準、測定項目毎)

形式

不揮発性EEPROM

不揮発性EEPROM(標準)
フラッシュメモリ(オプション)

フラッシュメモリ

連続記録時間

12時間(1秒間隔時)、
5日(10秒間隔時)

12時間(1秒間隔時)、
5日(10秒間隔時)(標準)
8日(1秒間隔時)、
80日(10秒間隔時)(オプション)

8日(1秒間隔時)、
80日(10秒間隔時)

保持期間

25年

バッテリー寿命

3.5ヶ月注3)

8.5ヶ月注3)

19ヶ月注3)

バッテリー交換

不可

内部時計

精度月差±1分

ハウジング材質

酸化アルミニウム

ハウジング寸法

8.3mm(径)×25.4mm(長)

13mm(径)×39.5mm(長)

15mm(径)×46mm(長)

重量

空中

3.3g

11.8g

19g

水中

3.3g

11.8g

19g

取り付け穴

0.5mm径

0.9mm径

0.9mm径

ソフトウェア(対応OS)

Mercury(Windows)

  注1)上記の測定レンジ以外も可能です。

  注2)専用ソフトウェア、Mercuryにて設定します。大型魚の心拍数計測では、動物用の設定を使用することもあります。

  注3)サンプリング間隔を10分以上で、温度及び心拍数を同時に記録した場合になります。尚、電池交換ができません。



  ソフトウェア


(Seastar) (Mercury)
ソフトウェアは水産用や工業用のSeaStar、医薬品用のMercuryの2種類を用意しています。前者はDSTシリーズのHRT型を除く全てのタグの設定及び解析、後者はDST nano-TとDST micro-T、DST centi-T、HRT型の設定及び解析を行うことができます。

一定の間隔で計測(シングルインターバル)するだけでなく、複数の計測間隔を組み合わせる(マルチプルインターバル)こともでき、季節変動など周期性のあるものの計測にも使うことができます。マルチプルインターバルは最大7通りの計測間隔の設定が可能です。

新たに必要なデータを優先的にメモリに保持するプライマリー機能が加わりました。これは例えば、温度・深度の2項目のタグについて、深度が変わらないことが判っている場合には温度を優先し、温度データ10回毎に深度データを1回とすることで従来の1.8倍計測時間を延長するものです。

主な機能として
 二通りのサンプリング間隔
 複数タグのデータ保持
 オフセット値の変更
 グラフ表示機能
など

また、計測されたデータは、コンピュータにダウンロードされない限り新規に設定はできませんので、うっかりミスによる喪失はありません。ダウンロードされたデータは自動的にハードディスクに保存され、ファイル名は記録回数で制御されますので、名前の重複はありません。グラフはビットマップファイル(bmp)やウインドウズメタファイル(wmf)方式で保存できます。

ソフトウェアは、いつでもWeb上から最新のバージョンに無償にてアップグレードできます。

※オリジナルのソフトウェアがインストールされていることが条件になります。



  コミュニケーションボックス

DSTシリーズのタグとコンピュータ間の通信は、左図のコミュニケーションボックスを介して設定及びデータ回収を行います。電源はUSBポートからの供給(バスパワー)のみで、タグの直径に合わせて次の四種類を用意してあります。

 タグ径6mm用(DST nano用)
 タグ径8.3mm用(DST micro用)
 タグ径13mm用(DST milli用)
 タグ径15mm用(DST CTD、tilt、magnetic用)