DST Pitch&Rollは、セラミック製の強固なボディに機首の傾き角、タグの回転角に加え、温度、深度センサを組み込んだ超小型データロガーです。2方向は水平状態を基準にそれぞれ±90°間で記録します。

メモリ容量は1項目当たり87,000サンプル数あり長期間の測定にも対応します。通常2方向の傾斜、温度、深度データの4項目を同時に記録しますが、2方向の傾斜、温度と深度の各々の異なった周期でデータを記録することで、メモリを有効に使用することができます。また、不揮発性EEPROMを採用しており、内部バッテリーが尽きてもデータが無くなることはありません。また専用のコミュニケーションボックスからもロガーに電源を供給しますのでデータ回収にも問題ありません。

アプリケーションとして、
  ●魚や海洋動物の生態調査
  ●底引き網の開口口や漁具の研究
  ●AUVやROVと水中測定器の方向性
  ●その他、温度や推進、傾斜を必要とするフィールド
など様々な用途でご利用いただけます。

設定及び解析用ソフトウェアは別売ですが、アップグレードはWeb上から無償にて行えます。対応OSは、マイクロソフト社Windows 7、8.1、10の日本語版になります。

総合カタログPDFダウンロード(2.50MB)




2方向傾斜の方向性


酸化アルミニウム仕様


 特  徴

   □ 小型(15mm径×46mm長)

   □ 軽量(水中重量12g)

   □ 2方向傾斜情報

   □ 最大深度3,000m

   □ 不揮発性メモリ(内部バッテリーが尽きてもデータを保持)



  仕  様

DST Pitch&Roll
(温度・深度・2軸傾斜)

温度

測定範囲

-1~+40℃注1)

精度

±0.1℃

分解能

0.032℃

応答速度

20秒(63%応答)

深度

測定範囲

10cm~50m、10cm~100m、1m~270m
5m~800m、5m~1,500m、10m~3,000m注2)注3)

精度

±0.6%FS

分解能

0.03%FS

傾斜

測定範囲

±90°(180°スパン)

精度

±5°

分解能

0.3°

A/D変換

12ビットデジタル変換

サンプリング間隔

1秒~90時間(1秒単位で設定可能)

観測開始時間

最小5分から最大45日間で設定可

インターフェース

USBポート(仮想COMポート)

メモリ

記録容量

523,704バイト(温度1.5バイト、深度1.5バイト、傾斜3バイト)

収録データ数

87,284データ(測定項目毎)

形式

不揮発性EEPROM

連続記録時間

1日(1秒間隔時)、10日(10秒間隔時)注4)

保持期間

25年

バッテリー寿命

6年注5)

バッテリー交換

不可

内部時計

精度月差±1分

ハウジング材質

酸化アルミニウム

ハウジング寸法

15mm(径)×46mm(長)

ハウジング体積

8.1cm3

重量

空中

19g

水中

12g

取り付け穴

0.9mm径

対応ソフトウェア

SeaStar

注1)上記の測定レンジ以外も可能です。

注2)ご注文時、上記の深度測定範囲から選択して頂く必要があります。

注3)測定範囲外でのご使用は、深度センサやメンブランが破損する恐れがあります。必ず範囲内でのご使用をお願いします。

注4)傾斜及び温度、深度を同時に記録した場合になります。

注5)サンプリング間隔を10分以上で、傾斜及び温度、深度を同時に記録した場合になります。尚、電池交換はできません。



  ソフトウェア


(Seastar) (Mercury)
ソフトウェアは水産用や工業用のSeaStar、医薬品用のMercuryの2種類を用意しています。前者はDSTシリーズのHRT型を除く全てのタグの設定及び解析、後者はDST nano-TとDST micro-T、DST centi-T、HRT型の設定及び解析を行うことができます。

一定の間隔で計測(シングルインターバル)するだけでなく、複数の計測間隔を組み合わせる(マルチプルインターバル)こともでき、季節変動など周期性のあるものの計測にも使うことができます。マルチプルインターバルは最大7通りの計測間隔の設定が可能です。

新たに必要なデータを優先的にメモリに保持するプライマリー機能が加わりました。これは例えば、温度・深度の2項目のタグについて、深度が変わらないことが判っている場合には温度を優先し、温度データ10回毎に深度データを1回とすることで従来の1.8倍計測時間を延長するものです。

主な機能として
 二通りのサンプリング間隔
 複数タグのデータ保持
 オフセット値の変更
 グラフ表示機能
など

また、計測されたデータは、コンピュータにダウンロードされない限り新規に設定はできませんので、うっかりミスによる喪失はありません。ダウンロードされたデータは自動的にハードディスクに保存され、ファイル名は記録回数で制御されますので、名前の重複はありません。グラフはビットマップファイル(bmp)やウインドウズメタファイル(wmf)方式で保存できます。

ソフトウェアは、いつでもWeb上から最新のバージョンに無償にてアップグレードできます。

ソフトウェアアップデート

※オリジナルのソフトウェアがインストールされていることが条件になります。



  コミュニケーションボックス

DSTシリーズのタグとコンピュータ間の通信は、左図のコミュニケーションボックスを介して設定及びデータ回収を行います。電源はUSBポートからの供給(バスパワー)のみで、タグの直径に合わせて次の四種類を用意してあります。

 タグ径6mm用(DST nano用)
 タグ径8.3mm用(DST micro用)
 タグ径13mm用(DST milli用)
 タグ径15mm用(DST CTD、pitch&roll、tilt、magnetic用)