pH、酸化還元電位測定用比較電極(内部液:NaCl); 特別なセラミックレス液絡部設計を採用しています。
Idronaut社では、以下に説明するように、海水測定及び関連する校正において系統的なpH誤差を引き起こす、比較電極の液絡部における拡散電位を最小化するための革新的なNaClゲルを内部液とした比較電極を開発しました。
拡散電位による系統的誤差
比較電極が校正又は試料水に浸されると、以下に説明するように、比較電極の内部から溶液中に流れ込んだり、又はその逆の塩によって、何らかの液絡部電位が生じます。
通常のKCl飽和液(3モル液)又はゲルベースの比較電極では、この内部液が液絡部を通して流出したり、逆に海水中のNaClが浸入したりします。この際生じるかカチオン電位は下表に示すようにNa+が最大を示します。従って正確なpH値を得るには、このポテンシャル差を無くすことが必要になります。従って、正確なpH測定値を得る為には、校正緩衝液及び試料水は、生成された接合電位が実際上同一であり、pHゼロ校正段階中にポテンシャル差がゼロになるように、特に非常に類似の塩組織を有さなければなりません。これは、2006年9月18日のSOP6手順に記載されているのと同じ試料水(海水)で作られたトリス緩衝液pH8.08で得られます。
海水測定の場合、伝統的なKCl比較電極の代わりにNaCl比較電極を使用することによっていくつかの追加の利点が得られます。実際、NaCl液と海水のNaClの濃度差が最小で電極外部への流出が小さくなり、加えて、校正段階及び測定段階の両方における流出は一方向だけなので、残留接合電位は、pHゼロ校正段階中にゼロになります。
海水の測定にNaClゲル比較電極を使用することのもう1つの重要な利点は、長期間の測定や連続的な海水モニタリングの際に、NaCl塩が内部から取り除かれないため、他の高品質なKCl比較電極よりも長持ちします。NaClの海水塩は内部の塩化銀電極を経時的に汚染しません。従ってKClがNaClで完全に置換されると約30mVまでの長いドリフトが生じます。
Idronaut社の電極については、1つまたは2つの薄い同心ガラス管はNaClゲル電極の内側に設置され、液絡部近くの銀-塩化銀電極がすぐに汚染されないようにするために、独自の構造が採用されています。
このような構造におけるアプローチは、われわれが知る限り革新的であり、長く扱いにくい比較電極と同等の性能を小さな寸法で得られるようになりました。
拡散電位に起因するランダム誤差
拡散電位は、系統誤差を引き起こすばかりでなく、比較電極の内部から外部への接合部を塩の流れが発生する際に発生するランダム誤差(またその逆も同様)は、
可変の拡散層および電位を生成する試料の可変状態によって変動します。
拡散電位の変動を最小限に抑えるために、サンプルは一定速度で(可能であれば激しく)攪拌しなければならず、比較(およびpH)電極をサンプルに浸した後、一定の時間に読み取りを行わなければなりません。
可能であれば、実験室での測定は30秒後または1分後に読みを取ることをお勧めします。実際、接合電位によって引き起こされる系統的なpH値の短期ドリフトは、ガラスpH電極の必要な整定時間と誤って関連づけられます。特定の場合しか系統誤差の低減、あるいはほとんどを排除することができないので、pH測定の精度ではないにしても、精度を向上させるランダム誤差の低減、又は排除することが重要です。
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