オーシャンセブン310型は最大28Hzの高速サンプリング多項目水質ロガーです。既存モデルに対して新世代の電子部品を採用することで、出力の安定性が向上し、測定スピードは28Hzまで高速化、センサのダイナミックレンジも拡大し、また最大で14個のアナログセンサと2個のデジタルセンサが搭載可能となりました。
CTDが基本項目でpH、ORP、DOが追加できます。また、チェルシー社製蛍光光度センサ等、他社センサの搭載も容易です。
メモリ式で使用する場合の記録部には、2GバイトのmicroSDカードを採用し、搭載されているすべてのセンサの読み取り値と取得日時を合わせた約30,000,000個のデータセットを保存できます。また長期観測向けに、電導度センサに生物付着/汚染対策として殺菌作用を発揮するUVLEDをオプションとして組み込むことが可能です。消費電力の最小化も実現しました。さらにDOは新開発の光学式も搭載可能で、メンテナンス頻度が大幅に低減します。
計測器内のCPUはCTD測定のみならず、UNESCO Technical Paper in Marine Science No.44によって定義された方程式からTDS(総溶解固形分)や20ºC又は25ºC換算による電導度、海水用として塩分や音速、密度などの演算による表示が可能です。本体内部には固有のキャリブレーション係数が記録されており、電導度はソフトウェアからの選択だけで淡水/海水用レンジに切り替えられます。
観測方法は、高速サンプリング、深度インターバル、条件設定トリガー、時間インターバル、バーストサンプリングの5種類のいずれかから選んでデータを取得できます。
ハウジングの標準はボーリング用の48mm径·1,000m耐圧モデルで、海洋用の89mm径·7,000m耐圧モデルまで、全部で6種類あります。濁度や蛍光光度のオプションセンサを組み込むことも可能です。深度センサは0.01%FSの高精度タイプをオプションで用意しており、ボーリング孔による地下水の調査だけでなく本格的な海洋調査などにご利用頂けます。
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特 徴 |
□ 小型・軽量 |
□ 最大16項目のセンサ取付可 |
(アナログ入力14ch、デジタル入力2ch) |
□ 大容量メモリ |
□ 測定スピード 最大28Hz |
□ メンテナンス頻度の低減 |
□ 低消費電力 |
基本センサ仕様 |
測定項目 |
測定範囲 |
精度 |
分解能 |
応答速度 |
深度 |
0~7,000dbar注1) |
0.05%FS |
0.0015%FS |
0.05秒 |
温度 |
-5~+50℃ |
0.0015℃ |
0.0001℃ |
0.05秒 |
電導度(塩水) (海水) (淡水) |
0~350mS/cm注2) 0~90mS/cm注2) 0~7,000μS/cm注2) |
0.010mS/cm 0.0015mS/cm 5μS/cm |
0.0001mS/cm 0.001mS/cm 0.1μS/cm |
0.05秒注3) 0.05秒注3) 0.05秒注3) |
オプションセンサ仕様 |
DO(隔膜式) |
0~50ppm 0~500%ppm |
0.1ppm 1%sat |
0.01ppm 0.1%sat |
3秒(空中)注4) 3秒(空中)注4) |
DO(光学式) |
0.02~250% |
±0.02%注5) ±0.2%注6) |
0.01%注5) 0.05%注6) |
5秒 |
pH |
2~12pH |
0.01pH |
0.001pH |
3秒 |
ORP |
-1,000~+1,000mV |
1mV |
0.1mV |
3秒 |
深度(高精度タイプ) |
0~7,000dbar注7) |
0.01%FS |
0.002%FS |
0.05秒 |
濁度 |
0.03~>2,50FTU |
0.1FTU |
0.025FTU |
3秒 |
蛍光光度
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0~150μg/l |
0.02μg/l |
0.01μg/l |
3秒 |
電気・記録系標準仕様 |
電源 |
デッキユニット(又は外部電池)タイプと水中器に電池を内蔵するタイプがあります。リアルタイム観測、ロギング観測によって使い分けします。 |
ケーブル |
電源+信号用RSケーブル 10mm(径)、一芯アーマードケーブル 2.56mm(径)~ |
消費電力 |
起動時 90mA @3.6VDC 休止時 0.008mA @3.6VDC |
サンプリング速度 |
8Hz(Windows付属通信ソフト)、28Hz(専用ソフトウェア REDAS-5使用) |
A/D変換 |
16ビット逐次比較型(SAR)アナログデジタル変換 |
インターフェース |
RS232Cシリアル通信ポート(標準、最大200m)、RS485シリアル通信ポート(オプション、最大1,000m) QAM通信ポート(オプション、最大10,000m)、Bluetooth(オプション、最大100m) |
メモリタイプ |
2GバイトmicroSDカード |
メモリ容量 |
30,000,000データセット |
ハウジング |
材質 |
AISI 316 |
POM樹脂 |
チタニウム |
チタニウム |
耐圧 |
1,000dbar |
1,500dbar |
6,000dbar |
7,000dbar |
寸法 |
48mm(径)×715mm(長) |
100mm(径)×710mm(長) |
48mm(径)×660mm(長) |
89mm(径)×720mm(長) |
重量(空中) (水中) |
1.3kg |
4.2kg |
2.1kg |
8.0kg |
0.7kg |
0.2kg |
1.3kg |
4.3kg |
サンプリング機能 |
高速サンプリング |
0.1~28Hz間で設定、手動スイッチのON/OFFでデータ記録可能 |
深度インターバル |
0.1dbar以上の任意深度ピッチによるデータ記録 |
時間インターバル |
5秒~1日の間で測定、手動スイッチのON/OFFでデータ記録可能 |
条件設定トリガー |
設定した値になると記録可能 |
バーストサンプリング |
28Hz~1分間の任意の間隔で複数回を1秒~1日の時間間隔で記録可能 |
注1)深度レンジは10、40、100、200、500、1,000、2,000、4,000、7,000dbarから選択できます。 |
注2)ソフトウェアから切り替え操作を行う必要があります。 |
注3)流速1m/secの状態での仕様になります。 |
注4)酸素飽和濃度0%から100%へ向かった時の応答速度になります。 |
注5)酸素飽和濃度1%時の精度、分解能になります。 |
注6)酸素飽和濃度100%時の精度、分解能になります。 |
注7)深度レンジは100、1,000、2,000、4,000、7,000dbarから選択できます。 |
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長期間の観測においては、電導度センサは生物付着による感度低下の影響を受けやすくなります。この問題に対しイドロノウト社では紫外線照射法による対策を用意しました。小型のUVLED(中心波長域:
275nm)を管状電導度センサに組み込み、極面を照射することによって生物付着を軽減し、長期観測を実現しました。
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